一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立(仕切壁、床、天井などによって他の部分から構造上明確に区分されていること)して住居、店舗、事務所または倉庫その他建物の用途に利用することができるものは、その各部分を所有権の目的とすることができます。(建物の区分所有等に関するする法律第1条、以下区分所有法といいます)。この区分所有となる各部分のことを、専有部分といいます。
ただし、集会室や管理人事務室、地階車庫などについては区分所有者の規約設定により共用部分とすることができます。この場合は、第三者に対抗するため規約共用部分である旨の登記を表題部にします。(区分所有法第4条)。
専有部分はそれぞれ独立した建物として、区分所有権として建物の所有権保存や所有権移転ができ、当然抵当権や、賃借権を設定することができます。そして、専有部分を有するすべての区分所有者は、専有部分を所有するための建物の敷地全体に所有権、地上権、賃借権、使用貸借権といった敷地利用権を有するとされます。(同第2条第6項)。
原則として、専有部分と敷地利用権は分離処分を禁止しています。規約で、別の定め(分離処分可能規約)をすることはできます。(同第22条)。 分離処分が禁止されている場合で、敷地利用権が登記された所有権、地上権、賃借権である場合、特に敷地権と呼びます。敷地権が生じたときは、敷地権の表示登記をします。(不登法第91条第2項第4号)。これ以降は、原則として、専有部分と敷地権とは不可分一体のものとなり、敷地権の記載された土地については登記ができないこととされます。
敷地権と一体化した専有部分に、所有権移転登記や、抵当権設定登記をすると敷地権の土地についても同一の登記がなされたのと同じ効力があります。そこで登記の申請書には敷地権の表示も記載します。(不登法第110条の13、第110条の14、第110条の15、第140条の2、第140条の2)。
敷地権付きの区分建物に抵当権設定の登記をするとき、注意することは敷地権が賃借権の場合は、普通の土地、建物の賃借権と同様に抵当権を設定できませんので、一棟の建物の表示、専有部分の建物の表示のみを記載し、賃借権である敷地権の表示は記載してはいけません。抵当権を設定できるのは、不動産、地上権、永小作権です。(民法第369条)。ただし、抵当権の効力は敷地権である賃借権にも及ぶとされます。(民法第370条)。