登記済証が滅失した場合、登記済証に代わるものとして登記義務者に人違いがないことを保証するための保証書を添付します。
滅失した場合とは、単に物理的に滅失したということのほか、紛失により所在不明(大判昭8.7.8)のときも含まれますが、他人が預っていて簡単に返してもらえない場合(最判昭31.7.17)は違法なものとしています。この保証書は登記を受けたことのある成年者2人以上が登記義務者の人違いがないことを保証した書面で登記のときに2通提出します。申請する登記所と登記を受けた登記所が違うときは、登記を受けたことがわかる登記簿謄本も提出します。真正に保証していることを担保するために保証書には保証人の発行後3ヶ月以内の印鑑証明書を添付しますが、登記簿と印鑑証明書の住所、氏名が異なる場合は、その変更を証明する住民票、戸籍抄本などの書面も必要になります。
保証書提出による登記の申請をすると、所有権(仮登記、買戻特約)に関する登記の場合は、登記所から登記義務者に事前通知がなされますが、抵当権等に関する登記は事後通知がなされます。所有権の場合は、虚偽の登記がなされた場合、権利の回復が困難なので、手続きを厳格にしています。
所有権以外は所有権に比べて権利の回復が比較的容易なので、事後通知とされたものです。どちらも場合も、虚偽保証をして損害を与えた場合は、登記権利者や所有者からの不法行為による損害賠償の対象となります。(民法第709条)。さらに登記義務者について確実な知識がないのにもかかわらず、登記義務者に相違ないと偽物の登記義務者について虚偽の保証をしたということで、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑を受けることになります。(不登法第158条)。
これは登記簿の名義人が登記義務者であることを単純に保証するものではなく(そのことは登記簿をみれば誰でも分かります)、保証を依頼した人が登記義務者である本人であるという証明です。生身の本人を知っている人が証明するものなのです。たとえば、登記義務者が登記簿でAとなっていて、保証を頼んできたのが隣に住むAさん本人だからそのことをよく知っている私たちが証明しますということを意味します。そこで原則は顔見知りの人をその人であると実際のことを証明するだけのことですから、借金の保証人と違って、ちゃんと本人を知っていて保証をすればそのことによって後で、保証人に迷惑がかかることはありません。そのために保証人は日本のどこででも登記をしたことがある成年者(満20歳以上)2名以上というようになっています。直接の登記の当事者でなければ、原則として誰でもかまいませんから、利害関係のない肉親や親戚、友人の方になってもらいます。
保証人になれない者の例
1.法人
2.登記権利者本人、登記権利者の法定代理人、登記権利者である法人の代表者
3.物上保証人の抵当権設定の場合の債務者
4.婚姻した未成年者
注 登記義務者の法定代理人は保証人になれる
登記申請代理人は保証人になれる
所有権移転の場合の登記所からの郵便による事前通知は、仮受付して念のために登記義務者本人にそのような登記を本当に申請したのか確認するためのもので、通知発送の日から3週間以内に登記申請に間違いがない旨の申し出が実印を押した法定の書面で登記官に対しなされると、そのときに正式に申請書を受付したことになります。
つまり、最初の申請は権利証がなく保証書による申請というだけで、登録免許税なども納付しますが仮受付ということなので、もしこの間に登記済証を添付した所有権移転登記が出されれば、そちらが優先して登記されてしまい、保証書による申請の方は取り下げない限り、却下されます。また登記義務者が登記申請をしていないことを申し出た場合や、通知を受け取ってもそのまま無視すれば登記は受理されません。
そこで不動産の売買では残金決済をするときは、法定の書面(はがき)を直接目で確認後にするのが通例です。